世界の地下開発事例について
(1)大規模開発系
パリのフォーラム・デ・アール
市場の再開発(約10ha)において地下鉄との連結、地下駐車場と地下道路の直結、地下商業・文化施設の建設を地下を利用して一体的に行い、都市の再生を行い賑わいのある空間を創出した。
ニューヨークのロックフェラーセンター
コロンビア大学の土地の再開発において19棟の高層ビルを建設し、その地下に全てのビルと地下鉄駅を結ぶ歩行者ネットワークを建設し、地下は新たな商業空間として再生させた。
アメリカのフィラデルフィアのザ・ギャラリー
中心部8街区の再開発で地下鉄、鉄道の地下駅と一体となった地下歩行者ネットワークと地下荷さばきターミナルを約500mの長さで建設し、商業、業務、コンベンション施設などの巨大な都市空間に再生した。
フィラデルフィア同様の地下歩行者ネットワークが建設され、総延長は約6㎞で絵鉄道駅と地下鉄駅が各民間ビルと接続されている。モントリオールと異なり当初は地下歩道の整備に対して補助制度を設け、建設を誘導していた。
(2)ネットワーク系
街区的な再開発ではなく都心全体の再生に地下空間を利用している。街区ごとに開発されるビル同市の地下階を相互的に接続し、その端部を地下鉄駅と接続する歩行者ネットワークを都心全体で形成している。
シンガポールは今月、東南アジア初となる地下石油貯蔵施設を開所。ニューヨークのグランドセントラル駅3つ分の空間が地上での化学製品製造のために利用できるようになった。
ジュロン岩盤洞窟貯蔵施設 -シンガポールー
ストレートタイムズは、ジュロン島で建設が進められていたジュロン岩盤洞窟のオープンを伝えています。
2007年の2月に工事が開始されたこの岩盤洞窟は、石油の地下貯蔵施設で、入り口付近の直径約27mの穴が地下150mの深さに及ぶ巨大な洞窟が5個あり、作業用の長い横穴が接続されているとのことです。
ヨーロッパ
授業でやったアレ
パリ
カタコンプと呼ばれる地下墓地や20世紀初頭の地下鉄の導入
地下の花崗岩を掘削して原油などを安価に貯蔵する
アメリカ
ボストンの「ビッグディック」と呼ばれるプロジェクト
高速道路は老朽化が進み,朝夕の交通渋滞による周辺環境の悪化,多様化する地上機能の分断などの問題が指摘されていた。6車線,約14kmの高架道路を8~12車線の地下高速道路に再整備する
地下開発のメリットとデメリット
メリット
温度と湿度が一定であるということ。湿度は高いものの恒温性は生活環境にとってはプラスとなる。また、耐震性を持つ。地震時の加速度は地下数十メートルで半分以下に減少する。そして、地上の都市景観を保全できる。
デメリット
コストが高いこと。採光、通風面が取りにくい。既存の地中埋蔵物によって工事がしにくいことがある。一度作ったものを壊したり、新しくものに作り替えにくい。一方向間隔が失われやすい。閉所であるため圧迫感を感じる点。
改善策としては太陽光の導入空調、設備の充実、防火対策をする、コストダウン工法などがあげられる。
探した印象としてはフォーラム・デ・アール、ヘルシンキ、モントリオールに関しての記述は多かったように思う。
参考文献
NYの公園、シンガポールでは研究施設-地下開発の提案続々 - Bloomberg
http://www.rice.or.jp/regular_report/pdf/monthly/Month301.pdf
http://www.cocokala.net/sg_jp/viewtopic.php?f=6&t=840
http://www.mori-m-foundation.or.jp/seminar/tokiology/tokiology_underground_summary_20100129.pdf
http://www.urban.env.nagoya-u.ac.jp/sustain/paper/1993/jiyu/1993-jiyu-chika-kyoya1.pdf
http://www.dbj.jp/reportshift/area/newyork/pdf_all/92.pdf
004‐都市的構築物による被害と危険
都市的構築物による被害と危険
都市活動における特徴として効率の追求がある。
その結果、様々な都市特有の構築物を生み出している。
地震によりこれらの構築物が破損し、多量の死傷者の発生に結び付いたとき、その被害は
「都市災害」と呼ぶにふさわしいということはこれまでの内容から理解できる。
具体的にいえばブロック塀や高層ビルのガラス壁、看板、広告塔などは代表的なもので、
宮城県沖地震ではブロック塀による死傷者はこうした例であった。
都市機能麻痺による波及被害
都市は、電気、ガス、水道、電話といったライフラインや、道
路、鉄道その他の公共サービスによって支えられている。地震によってこ
うしたサービスが途絶は、都市全体の機能麻痺を引き起こし、正常な居住を不可能にす
る。例えば、エレベーターや水道の止まった高層アパートはもはや
居住空間とはならないだろうし、電気、電話の途絶は企業の生産化都度は停止させ、中、
長期の経済被害を招来することになるだろう。典型的都市災害の形と言える。
予備電源なんてあるアパートなんてそうそうないのだろうか…
003‐人工的空間の創出と災害時の危険
現代都市には、
地下街、高層ビル、臨海部の埋立地
など近代技術に支えられた多くの人工空間が存在する。
阪神・淡路大震災では、
高速道路や地下鉄
に被害があった。
空間の高度利用を追及するのが都市であるのであれば、これらの人工的空間における被害も「都市災害」と言える。ただし、被害が人工空間を構築している構造体のみに限定されたとすれば都市災害というよりは一般的地震災害の域をでないであろう。その解決は技術的問題として処理されるのである。
これらの人工空間の破壊、機能停止により人々が階段で折り重なって多数の死傷者がでたり、
生き埋めや閉じ込め者の救出の遅れが死者の発生につながったり、流通が途絶して大きな経済被害になった場合に、都市災害と呼び得る。
こうした被害が、技術と人間との関係に依存する事象であり、その関係の理解に基づいて階段の形状や救出手段など、従来とは異なった技術が要求されるのである。
となると、どんどん都市災害の定義がアレになってきてる気がする。
ガス爆発での多数の死傷者がでた時は都市災害。
地震で被害の状況が都市特有なら都市災害。
人工空間における被害(生き埋めの救出遅れ死者、流通途絶)も都市災害。
都市災害がどんどん多様になっている気がする。この場合都市の高密化によって多数の死者って言うのがポイントなのだろう。
002‐都市化にともなう災害とは
前回は都市災害とはという話だったけど、
都市化に伴う災害
人口増加と都市域の拡大に伴う宅地開発の進展、既成市街地の高密度開発などを原因とするもので、具体的には以下のような危険の増大とそれによる被害とが相当する。
①急傾斜における宅地造成地などの地盤被害
急傾斜地とは、傾斜度が30度以上ある土地のことで、通常「崖(がけ)」と呼ばれている。県で工事を行う場合は急傾斜地崩壊危険区域に指定されている必要がある。条件としては、
1.自然崖であること(ブロック積や擁壁等人工的な構造物がないこと)
2.移転適地がないこと
3.崖高10m以上であること
4.工事により保全される人家が10戸以上であること
これらを全て満たす必要があり、どこらかしこで出来るわけではないっていうわけだ。いくら住民が住んでいて危ないと言われる場所でも条件を満たさないと工事するわけにはいかない。う~ん、地方は金がないと言われているしね。
②崖下開発による土砂崩れ災害
よく言われる土砂崩れ。そもそも土砂災害ってなんで起きんの?って話なんだけどそれは日本の雨の多さとか山地が多く、脆い地質が多いってところにある。川は急流。流れが速いので水が山を削る力は強くなり下流に土砂が運ばれる。(でも崖下で川付近じゃないところは違うか)しかも、局地的大雨が近年増えている。H13~H24で年間平均229回とS51~S63の時は平均176回だったので実際増えている。1時間に50㎜を超える「非常に激しい雨」の頻度は30~40年前に比べて3割余り増え、21世紀末には現在の1.65倍になると予想されている。
最近は広島やら京都やらで割と豪雨って注目されてるね。広島のアレは地すべりでしたね。地震がきっかけで地すべりが起こることもある。地すべりにも色々種類があるけどここでは割愛。
③宅地細分化による建物空隙の焼失に伴う延焼危険の増大
住宅が密集していると延焼で被害が大きくなるアレ。当然木造が多い地域の方が燃え広がりやすい。家と家の距離が近いのですぐ燃え広がるんだね。
④遠距離通勤による帰宅困難と家族の離散から生ずる危険
道路とか橋とかが壊れて道路網が断絶されると帰宅困難者が生まれる。どのくらいの距離から遠距離なんだろうか。
他にも細かく言えばたくさんあるんだけど、4つだけ挙げておく。最近は災害に関しての対応が世間的にも厳しくなってきているような気がする。それほど敏感になっているのだろう。ハザードマップ等も積極的に作られているし確認しておかないと!
PS.日シリが始まった!楽しみだなぁ。
001‐都市災害について
日本列島はあらゆる種類の災害に関し高い危険性を持っているわけだが、地震の危険性については、日本列島が
太平洋プレート、フィリピン海プレート、
北アメリカプレート、ユーラシアプレート、
という4つのプレートの交差する真上に乗っていることから、わりかし沢山(433件(2005年まで))地震が起きている。
「 都市災害 」
とはそもそも都市居住の本質に根差し、
「居住空間を支えていた技術なりその集積としての人工的構造物なりが、何らかの原因により破壊されたとき、居住空間として機能が失われることによって被害として顕在化する場合、ならびに、その高密度化のゆえに被害が拡大する場合に総称される災害概念」と定義されている。
まぁ、定義として考えるとなんだか難しく見えるが、
ガス爆発や大規模建築物火災による多数の死傷者の発生など、都市を形成している技術の脆弱性や「失敗」による人為的災害を念頭に置いて都市に居住することに対する警告・啓蒙する意味合いが込められている。とはいっても、宮城県沖地震の場合は被害や影響の状態が都市特有の形質をしていたため、地震のような自然力でも結果として都市災害とみなされるべきという認識に変わりつつある。
都市災害には何らかの人災が付きまとうのだが、自然災害の場合はそれだけではなく技術の未熟に起因する。想定していない新しい状況に対する技術的対応の欠如であったり、人間側にその技術を受け入れる体制が整っていない未熟さがある。自然災害に起因する都市災害には技術そのものの向上もさることながら技術と社会、技術と人間の関係に対する理解にまず目を向ける必要がありそうだ。
地震と災害について少し勉強がてら記録として残していこうというわけでブログを残す。メモみたいな感じ。
ブログを持っておくこと
思い立ったが吉日
何をするかは未定。
ブログ持っていてもいいんじゃない?